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修繕のタイミング

大規模修繕の周期

マンションの大規模修繕は「○年ごとに実施しなければならない」といった法的基準があるわけではありません。実際の建物の劣化状況に合わせて、適切な処置をするのが基本。

ただし、立地環境の気候風土や建物の仕様や設備、使われている部材などによっても劣化の進み具合は変動します。例えば、海辺のマンションだと塩害の影響は大きくなり、それを考慮した施工をしてはいるでしょうが、影響を受けやすい箇所はどうしても損耗が進みやすいのも実状。そうした点を踏まえた上で大規模修繕の目安とされるのが、10~12年周期です。

なお、大規模修繕と呼ばれるのは、一般的に足場を必要とするような工事。外壁工事や屋上・ベランダなどの防水工事、給排水管工事などで、特にマンションはコンクリート内部の劣化をできるだけ抑えることが重要とされています。

周期によって変わる大規模修繕の修繕箇所

マンションの大規模修繕は10~12年周期が目安と紹介しましたが、毎回同じ箇所を工事するわけではありません。例えば、1回目の大規模修繕工事が築10年目、2回目の大規模修繕工事が築20年目とした場合、2回とも工事する箇所もあれば、20年周期で工事する箇所もあります。

修繕計画自体は中長期的にプランニングするので、その段階からどのタイミングでどの工事を実施するか事前にある程度整理しておくのが一般的。その上で、専門業者による現地調査で修繕が必要な箇所が見つかれば、プラスアルファの工事が追加されることもあります。

また、修繕は文字通り直すことが目的で、改修やリニューアルと呼ばれる工事はグレードアップになるような工事を意味します。この場合、次の大規模修繕サイクルが変動する可能性もあるでしょう。

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参考情報:修繕箇所と修繕周期の目安

具体的な修繕箇所と修繕周期の目安として、国土交通省が公開している「長期修繕計画標準様式 様式第3-2号」から一部を抜粋して以下に紹介します。修繕工事項目と対象部位、そして補修か修繕なのかといった単位で修繕周期も異なることを認識しておきましょう。

(様式第3-2号) 推定修繕工事項目、修繕周期等の設定内容

推定修繕工事項目 対象部位等 工事区分(参考) 修繕周期(参考)
 1 仮設
1 仮設工事
①共通仮設   仮設 12~15年
②直接仮設   仮設 12~15年
 2 建物
2 屋根防水
①屋上防水(保護) 屋上、塔屋、ルーフバルコニー 補修 12~15年
修繕 24~30年
②屋上防水(露出) 修繕修繕 修繕 12~15年
撤去・新設 24~30年
③傾斜屋根 屋根 補修 12~15年
撤去・葺替 24~30年
④庇・笠木等防水 庇天端、笠木天端、パラペット天端・アゴ、架台天端等 修繕 12~15年
3 床防水
①バルコニー床防水 バルコニーの床(側溝、幅木を含む 修繕 12~15年
②開放廊下・階段等床防水 開放廊下・階段の床(側溝、幅木を含む) 修繕 12~15年
4 外壁塗装等
①コンクリート補修 外壁、屋根、床、手すり壁、軒天(上げ裏)、庇等(コンクリート、モルタル部分) 補修 12~15年
②外壁塗装 外壁、手すり壁等 塗替 12~15年
除去・塗装 24~30年
③軒天塗装 開放廊下・階段、バルコニー等の軒天(上げ裏)部分 塗替 12~15年
除去・塗装 24~30年
④タイル張補修 外壁、手すり壁等 補修 12~15年
⑤シーリング 外壁目地、建具周り、スリーブ周り、部材接合部等 打替 12~15年
5 鉄部塗装等
①鉄部塗装
(雨掛かり部分)
(鋼製)開放廊下・階段、バルコニーの手すり 修繕 5~7年
(鋼製)屋上フェンス、設備機器、立て樋・支持金物、架台、避難ハッチ、マンホール蓋、隔て板枠、物干金物等 塗装 5~7年
屋外鉄骨階段、自転車置場、遊具、フェンス 塗装 5~7年
②鉄部塗装
(非雨掛かり部分)
(鋼製)住戸玄関ドア 塗装 5~7年
(鋼製)共用部分ドア、メーターボックス扉、手すり、照明器具、設備機器、配電盤類、屋内消火栓箱等 塗装 5~7年
③非鉄部塗装 (アルミ製・ステンレス製等)サッシ、面格子、ドア、手すり、避難ハッチ、換気口等 清掃 12~15年
(ボード、樹脂、木製等)隔て板・エアコンスリーブ・雨樋等 塗装 12~15年
6建具・金物等
①建具関係 住戸玄関ドア、共用部分ドア、自動ドア 点検・調整 12~15年
取替 34~38年
窓サッシ、面格子、網戸、シャッター 点検・調整 12~15年
取替 34~38年
②手すり 開放廊下・階段、バルコニーの手すり、防風スクリーン 取替 34~38年
③屋外鉄骨階段 屋外鉄骨階段 補修 12~15年
取替 34~38年
④金物類(集合郵便受等) 集合郵便受、掲示板、宅配ロッカー等 取替 24~28年
笠木、架台、マンホール蓋、階段ノンスリップ、避難ハッチ、タラップ、排水金物、室名札、立て樋・支持金物、隔て板、物干金物、スリーブキャップ等 取替 24~28年
屋上フェンス等 取替 34~38年
⑤金物類(メーターボックス扉等) メーターボックスの扉、パイプスペースの扉等 取替 34~38年
7 共用内部
①共用内部 管理員室、集会室、内部廊下、内部階段等の壁、床、天井 張替・塗装 12~15年
エントランスホール、エレベーターホールの壁、床、天井 張替・塗装 12~15年
 3 設備
8 給水設備
①給水管 屋内共用給水管 更正 19~23年
屋内共用給水管、屋外共用給水管  取替(更新) 30~40年
②貯水槽 受水槽 補修 12~16年
高置水槽 取替 12~16年
③給水ポンプ 揚水ポンプ、加圧給水ポンプ、直結増圧ポンプ 補修 5~8年
取替 14~18年
9 排水設備
①排水管 屋内共用雑排水管 更正 19~23年
屋内共用雑排水管、汚水管、雨水管 取替(更新) 30~40年
②排水ポンプ 排水ポンプ 補修 5~8年
取替 14~18年
10 ガス設備
①ガス管 屋外埋設部ガス管、屋内共用ガス管 取替(更新) 28~32年
11 空調・換気設備
①空調設備 管理室、集会室等のエアコン 取替 13~17年
②換気設備 管理員室、集会室、機械室、電気室等の換気扇、ダクト類、換気口、換気ガラリ 取替 13~17年
12 電灯設備等
①電灯設備 共用廊下・エントランスホール等の照明器具、敗戦器具、非常照明、避難口・通路誘導灯、外灯等  取替 18~22年
②配電設備 配電盤・プルボックス等 取替 28~32年
③幹線設備 引込開閉器、幹線(電灯、動力)等 取替 28~32年
④避雷針設備 避雷突針、ポール・支持金物・導線・接地極等 取替 38~42年
⑤自家発電設備 発電設備 取替 28~32年
13 情報・通信設備
①電話設備 電話配電盤(MDF)、中間端子盤(IDF)等 取替 28~32年
②テレビ共聴設備 アンテナ、増幅器、分配器等※同軸ケーブルを除く 取替 15~20年
③インターネット設備 住棟内ネットワーク 取替 28~32年
④インターホン設備等 インターホン設備、オートロック設備、住宅情報盤、防犯設備、配線等 取替 15~20年
14 消防用設備
①屋内消火栓設備 消火栓ポンプ、消火管、ホース類、屋内消火栓箱等 取替 23~27年
②自動火災報知設備 感知器、発信器、表示灯、音響装置、中継器、受信器等 取替 18~22年
③連結送水管設備 送水口、放水口、消火管、消火専用栓箱等 取替 23~27年
15 昇降機設備
①昇降機 カゴ内装、扉、三方枠等 補修 12~15年
全構成機器 取替 26~30年
16 立体駐車場設備
①自走式駐車場 プレハブ造(鉄骨造+ALC 補修 8~12年
建替 28~32年
②機械式駐車場 二段方式、多段方式(昇降式、横行昇降式、ピット式)垂直循環方式等 補修 5年
取替 18~22年
 4 外構・その他
17 外構・附属施設
①外構 平面駐車場、車路、歩道等の舗装、側溝、排水溝 補修 24~28年
囲障(塀、フェンス等)、サイン(案内板)、遊具、ベンチ等 取替 24~28年
埋設排水管、排水桝等※埋設給水管を除く 取替 24~28年
②附属施設 自転車置場、ゴミ集積所 取替 24~28年
植樹 整備 24~28年
18 調査・診断・設計、工事監理等費用
①調査・診断・設計、コンサルタント 大規模修繕工事の実施前に行う点検・調査・診断   10~12年
②設計、コンサルタント 計画修繕工事の設計(基本設計・実施設計)・コンサルタント   12~15年
③工事監理 計画修繕工事の工事監理   12~15年
④臨時点検(被災時) 建物、設備、外構  
19 長期修繕計画作成費用
①見直し 長期修繕計画の見直しのための調査・診断
長期修繕計画の見直し
  5年
 5 性能向上工事項目(例) (必要に応じて、2建物又は3設備に追加する)
①耐震 耐震壁の増設、柱・梁の補強、免震、設備配管の補強、耐震ドアへの交換、エレベーターの着床装置、P波感知装置の設置等 改修  
②バリアフリー スロープ、手すりの設置、自動ドアの設置、エレベーターの設置・増設 改修  
③省エネルギー 断熱(屋上、外壁、開口部)、昇降機、照明等の設備の制御等 改修  
④防犯 照明照度の確保、オートロック、防犯カメラの設置等 改修  
⑤その他 〇情報通信(インターネット接続環境の整備等)
〇給水方式の変更(直結増圧給水方式への変更)
〇電気容量の増設(電灯幹線の増量等)
〇利便施設の設置(宅配ボックス等)
〇外部環境(外構、植栽、工作物等の整備)
改修  
6 専有部分工事項目(専有部分配管)(例)(必要に応じて、「1仮設」~「4外構・その他」とは別項目として追加する。)
①専有部分配管(※) 専有部分給水管、専有部分雑排水管、専有部分汚水管 取替 28~32年
※ 屋内共用給水管・排水管等と同時かつ一体的に行う工事に限る

参照元:国土交通省公式HP(https://www.mlit.go.jp/common/001172730.pdf)