実際のマンション大規模修繕工事に関連して発生した複数のトラブル事例を集めてみました。業者選定、工事仕様、設計監理そして住民間のコミュニケーションといった4つのテーマごとにページを分けて、起こった失敗事象とその原因、管理組合の対応を紹介するとともに、学びのポイントとして失敗しないための対策にも触れています。
詳細ページで取り上げる事例は10階建てで約200戸のマンション。設計監理コンサルタント方式で大規模修繕工事の準備を進める中で、修繕委員長として立候補した人物が業者選定直前のタイミングでコンサルタント会社の解約を強行。
施工業者選定でも特定の会社を強烈にプッシュ、独断専行の振る舞いがあった末、どうにか大規模修繕工事は完了に至ったとのこと。
ところが、工事完了から1年後、アフターサポートが行われないという事態が発生して……。
築10年目で初めての大規模修繕工事を行ったマンションの事例です。トラブルに気づいたのは工事が完了してから既に数年の月日が経ってからのこと。ベランダの手摺りの支柱が付け根部分で異常な変化を起こしていて、事象や原因を調べようとしても施工内容を確認することすらできないことが、トラブルが起きて初めてわかったのです。
施工した当時、ちゃんと工事仕様を確認しなかったツケが回ってきたともいえます。
築21年目を迎えて2回目の大規模修繕工事を実施しようと業者選定を進める中、建物調査の過程で1回目の大規模修繕工事の際、見えにくい箇所の手抜き工事が判明。目につきやすい箇所はちゃんと修繕工事されていたため気づきにくかったものの、どうせわからないだろうという意図さえ感じさせる悪質な業者に当たってしまっていたわけです。
1回目の大規模修繕工事では設計監理をしていなかったことが問題でした。
築10年目、そのマンションにとっては最初の大規模修繕工事。準備段階の業務を依頼していたコンサルタント会社に対して、管理組合は技術面での不安を感じていて、業者選定が終わったタイミングで解約を決意。別なコンサルタント会社に工事監理だけを発注して工事をスタートしました。
ところが、工事についての説明や告知がマンション住民に周知されておらず、着工後に工事中断をする事態に……。