大規模修繕工事の費用目安を知るための材料として、国土交通省公式HPで公開されている「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」に着目。これは2017年5~7月に調査が行われたもので、設計コンサルタント業務を手掛けている企業の中から134社からアンケートを回収したもの。
対象エリアは全国となっていて、「大規模修繕工事回数と床面積(㎡)あたりの工事金額」という項目をピックアップ、床面積単位の工事金額が大規模修繕工事の回数によってどう変化しているか、ひとつの指標になるでしょう。
大規模修繕工事回数 | ㎡あたり工事金額 ※直接工事費(共通仮設費、現場管理費、一般管理費、消費税相当額は含まない) | |||
---|---|---|---|---|
下位25% | 中央値 | 上位25% | 平均 | |
1回目 (n=473) | 8,483.7 円/㎡ | 10,647.9 円/㎡ | 13,426.4 円/㎡ | 13,095.9 円/㎡ |
2回目 (n=249) | 9,144.7 円/㎡ | 11,752.4 円/㎡ | 15,538.8 円/㎡ | 14,634.9 円/㎡ |
3回目以上 (n=151) | 7,530.8 円/㎡ | 10,626.4 円/㎡ | 13,523.3 円/㎡ | 11,931.0 円/㎡ |
参照元:国土交通省公式HP(https://www.mlit.go.jp/common/001234283.pdf)
なお、サンプルの分布を全体集計で見ると「~10,000円/㎡」と「~15,000円/㎡」の両方で72.9%。中央値より平均が高くなるのは、工事金額が高額な少数のサンプルによるものと推察されます。
また、1回目よりは2回目の方が高めになり、3回目は1回目に近い金額となっているのは、修繕サイクルとの兼ね合いで2回目のみの施工内容があると考えられるでしょう。
同じく国土交通省公式HPで公開されている資料「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の中には修繕積立金の算出方法が記載されているので、まずは必要項目と計算式を紹介します。
次に「月額の専有面積当たりの修繕積立金額」について、目安となる平均値がマンションの地上回数や建築延床面積別にまとめた表があったので、それを紹介します。
地上階数/建築延床面積 | 月額の専有面積当たりの修繕積立金額 | ||
事例の3分の2が包含される幅 | 平均値 | ||
【20階未満】 | 5,000㎡未満 | 235円~430円/㎡・月 | 335円/㎡・月 |
5,000㎡以上~10,000㎡未満 | 170円~320円/㎡・月 | 252円/㎡・月 | |
10,000㎡以上~20,000㎡未満 | 200円~330円/㎡・月 | 271円/㎡・月 | |
20,000㎡以上 | 190円~325円/㎡・月 | 255円/㎡㎡・月 | |
【20階以上】 | 240円~410円/㎡・月 | 338円/㎡・月 |
そして、計算式に基づくモデルケースとして以下のマンションの修繕積立金の算出した結果を紹介します。
(70,000,000円+264,600,000円+90,000,000円)÷(4,900㎡×30年×12ヶ月)≒241円/㎡・月 ※金額はすべて税不明
㎡単価が241円(税不明)、戸あたり70㎡のマンションなので1戸あたりの月額修繕積立金額目安は16,870円(税不明)となります。
参照元:国土交通省公式HP(https://www.mlit.go.jp/common/001080837.pdf)
マンション管理組合や修繕委員会の一般人感覚すれば、大規模修繕の工事費用はトータル金額で見るとひどく高額な取引にも感じるもの。マンション住民全員のためにもできるだけ安くしたいという気持ちが働くのは当然です。
ただし、コストを値切ったことで施工品質が落ちたら本末転倒。安心してマンション生活をおくるためにも、安かろう悪かろうの選択をしてはなりません。信頼できる業者を複数厳選して、相見積もりから施工内容の違いを見分けるように注意しましょう。
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